「良い管理」と「悪い管理」

今の職場に移って1ヶ月が経った。
自分はプロジェクト管理の経験を評価されて入社した(と思っている)ので、当然プロジェクト管理でパフォーマンスを発揮することが求められる。

 

しかし、入社してみると、みんなバリバリ仕事しているわけである。
ほっといてもどんどん進んでいくような、そんな感じ。


「これ、管理いるんだろうか?」
というのが最初の印象だった。
初めてのアジャイルというのもあって、ウォーターフォールとの違いからくる戸惑いもあった。

 

管理というとネガティブなイメージがある。
「自由が失われる」
「クリエイティブなことができなくなる」
自分が管理することでかえってチームのパフォーマンスが落ちたりしないだろうか、という懸念があった。

 

管理にはたしかにそういう悪い面はある。
自分もそれを経験して非常にやりづらかったときもある。


でも、そうじゃない管理もあると思っている。
僕が目指したいのは「管理があるからより良い仕事ができる」という管理。
そういう観点で考えていくと、すでにいいチームであっても自分ができることが見えてきた。

 

管理があることで
「優先順位が明確になって、各々が次に何をすべきかわかるようになり、不要な待機が減る」
「全体像が共有されていて、各々が自分の作業がどこにどう関わっているのかわかるようになり、全体としての仕事の質が向上する」
「目指すところが共有されていて、やるべきこと、やらなくていいことがわかってくる」
など。
迷いがなくなり、余計なことに悩まされず、チームメンバーがやるべきことに集中できる状況を整備していく、というのがいい管理なんじゃないかと。

 

逆に、管理のアンチパターンは「管理者がすべてを把握しようとする」ことだと思う。
チームのための管理ではなく管理者のための管理になるとチームは動きづらくなるし、管理者のスペック以上のことができなくなる。
管理者が超すげー人だったらそれでもいいけど、普通はそうじゃない。
目的はあくまでチーム全体としてのパフォーマンスを向上させることなので、把握しておかないとチームの効率が落ちるというところはもちろん把握する必要があるけど、管理者が知らないと不安になるとかはチームからしたらどうでもいいこと。
管理者を安心させるための管理とか無意味。

 

あと、特定の管理手法にチームをはめ込むのも良くないと思う。
書籍にのっている方法などは、参考にはなるけどそれをそのまま当てはめられるケースはそんな多くないと思っている。
スクラムも教科書通りがっつりやるにはチームメンバーの理解と協力がだいぶ必要になってくる。
でも、チームメンバーはエンジニアリングやデザインのプロではあってもマネジメントのプロではない。
そんなチームメンバーに管理上の負荷をかけるようなことはしたくない。
マネージャ同士が管理について話し合うと理想的な管理体制を考えがちだけど、現場の人間はそんなのを求めてはいなかったりする。
「迷いがなくなり、余計なことに悩まされず、チームメンバーがやるべきことに集中できる状況を整備していく」
というのを叶えられなかったら意味がない。

 

そんなことを考えていて、プロジェクトマネジメントというよりプロジェクトメンテナーとかプロジェクトブースターみたいな気の持ち方がいいんじゃないかと思った。
チームが作業しやすいよう日々メンテナンスする、前に進めるために要所要所で決定して押していく。

 


まだ一ヶ月なので半年後にはまた考え方変わってるかもしれないけど。 

 

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